2009年5月9日土曜日

5/9(土) 米金融当局の意図

NYダウ(8日終値) 8574.65 △164.80
為替(NY8日終値) 98.40-50/米ドル
 NY株式市場は前日公表された金融機関の財務健全性を審査する資産査定(ストレステスト)の結果が安心感につな金融株が上げた。資産査定では19社のうち10社が資本不足に陥る可能性があると指摘され、不足額の合計は746億ドル。バンク・オブ・アメリカは339億ドルの資本増強が必要とされた。事前に伝わっていた内容と一致する部分も多く、米金融健全化に向け前進したとの見方が聞かれた。
 ところで、米当局が厳しさを誇示する今回の検査だが、公表された増資必要額は、国際通貨基金(IMF)が4月にまとめた国際金融安定性報告で「金融機関の健全性を危機以前の水準に戻すために必要」とした約2750億ドルに遠く及ばない。ストレステストにおける経済シナリオも、今年の成長率を▼3.3%、平均失業率は今年が8.9%、来年が10.3%だが、既に4月の雇用統計で失業率は8.9%になっている。また、貸し倒れに対する損失の割合は9.1%を見込んでいるようだが、果たして住宅ローンや消費者ローン債権が貸し倒れになった場合に9.1%の損失で済むのだろうか?金融当局は銀行への信頼を醸成しようと躍起になっているように思えてしかたがない。

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