2009年8月30日日曜日

8/24-28 新型インフルエンザ

日経平均(8/28終値) 10534.14 (先週末) 10238.20
為替(8/28 17時) 93.89-92 (先週末) 93.91-94
 厚生労働省は28日、新型インフルエンザを発症する患者の割合である罹患(りかん)率から入院患者数、重症患者数を推計する流行シナリオを公表し、新型の罹患率を通常のインフルエンザの約2倍の「20%」として推計すると、患者数は約2550万人で、うち約38万人が入院し、重症者は約3万8千人に達するという予想だ。米大統領の諮問機関である科学技術諮問委員会は24日、新型インフルエンザによる米国での死者が9万人に達する恐れがあるとした報告書を発表、今秋から冬にかけて米国で新型インフルエンザが再流行し、全人口の30-50%が感染、20-40%(6000万-1億2000万人)が発症、180万人が入院し、このうち30万人が重症化し集中治療室での治療を必要とする恐れがあると警告している。また、新型インフルによる死者数を、子どもや若者を中心とする3万人から最大で9万人と見積もっている。日米の危機管理に対する温度差もあるが、いずれにせよ10月にかけて大流行する可能性が高く、不要・不急の外出を控えたり、様々なイベントの中止などが予想され、学校閉鎖ならぬ会社閉鎖はさすがに無いだろうが、経済活動への影響も考慮すべきで、株式投資も目先の売買では、現水準での利食い売り、戻り売りを行うべきだろう。

2009年8月22日土曜日

8/17-21 2010年の世界経済の見通し

日経平均(8/21終値) 10238.20 (先週末) 10597.33
為替(8/14 17時) 93.91-94 (先週末) 95.19-22
 7月の中古住宅販売件数が前月比7.2%増の年率換算524万戸と、市場予想(500万戸)を大幅に上回り、前月比では4カ月連続の増加で、住宅市場の改善が続いていることが好感された。売り方の買い戻しが膨らみNYダウは+1.67%と大きく上昇した。
 バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が講演し、「近いうちに経済成長に戻るという見通しは適切なようだ」と発言し、景気回復の期待感が高まった。しかしながら信用収縮や金融市場の緊張が残ることなどから世界の景気回復は緩やかになるとの見通しを示した。
 今年の3月以降に世界的な株高は世界景気の底打ちを織り込み上昇してきた。今後も株価の推移を占うには、2010年の世界経済をどう見通すかである。当社では中国の内需を中心とした経済成長は2010年も高成長が期待できるものの、米国を中止に先進国経済は雇用の悪化による個人消費の低迷が続き、回復軌道には乗れずに低成長(実質経済成長率で1%半ば程度)にとどまると見ており、現在の株価水準では利食い・戻り売りをし、次の投資機会を待つようにすべきだと考えている。

2009年8月16日日曜日

8/10-14 株式市場参加者

日経平均(8/14終値) 10597.33 (先週末) 10412.09
為替(8/14 17時) 95.19-22 (先週末) 95.36-39
 3/10に日経平均株価で年初来安値の7054円を底に上昇局面が続いており、6/12には10135円まで上昇した。7/13に日経平均で9050円まで下落し、市場では景気楽観論がやや後退し、2010年の世界経済も回復力が鈍いのではないかとの見方も台頭し始めた。しかしながら、世界の主要企業の4-6月期決算は当初予想を上回る内容が相次ぎ、株価は7/13から反転し始め、この1か月で約1500円(16%)の上昇となっている。上昇の牽引役は外国人投資家である。リーマンショック以降、個人投資家や国内機関投資家の一部は底値圏と判断し、中長期的視点での純投資を行っているが、市場参加者の大半は短期的志向の息を吹き返してきたヘッジファンド(アルゴリズム取引、マネージドフューチャーズなどのファンダメンタルズよりも相場の方向性にベットする投資?投機?手法)、証券会社等の自己売買、個人ネットトレーダーであるようだ。当社では4-6月期の企業業績も人件費削減等による固定費圧縮での回復で、本格回復にはまだ時間がかかると見ており、2010年の景気や企業業績の見通しから判断して、現在の株価水準は割高だと見ており引き続き戻り売り、利食い売りを推奨している。

2009年8月8日土曜日

8/2-7 米不良資産はどこへ消えた?

日経平均(8/7終値) 10412.09 (先週末) 10356.83
為替(8/7 17時) 95.36-39 (先週末) 95.59-62
 7月の雇用統計は失業率が9.7%程度に上昇すると予想されていたが、実際には前月比▼0.1%の9.4%となり、8/7のNY株式市場は株高(9,370.07△113.81)、為替はドル高(NY終値97.50-60)となった。景気後退局面も7-9月期には終了との見方が強まっているが、当社ではそのようには見ていない。
 その理由はいくつかあるのだが、その一つとして最近あまりニュースにも取り上げられていない米不良資産問題がある。今回の経済危機の震源地米国の不良資産総額は約200兆円とも400兆円とも言われていた。3月にガイトナー財務長官が官民合同の不良資産買い取りファンドが創設され、不良資産問題が進展する期待もあった。しかしながら最近では各金融機関が民間から資本を増強し、今すぐ処理する必要性が薄れているため、官民ファンドは当初規模は3月時点の想定を大きく下回る約2兆円規模でスタートした模様だ。最近の株高や金融機関の相次ぐ資本増強で不良資産問題が市場の話題になることが少なくなっているが、当社では、2002-3年の竹中元大臣が行ったように①不良資産総額の洗い出し、②その上での具体的な処理の道筋の確定、が明確になるまでは、この問題は燻り続けるので、現在のような株高局面は利食い売り、戻り売りを推奨している。

2009年8月2日日曜日

7/27-31 株価回復の第一ステージ

日経平均(7/31終値) 10356.83 (先週末) 9944.55
為替(7/31 17時) 95.59-62 (先週末) 94.80-83
 上場企業の4-6月期の経常損益が黒字に転換した(8/2日経新聞1面参照)。今回の世界同時不況の震源地米国も同様に4-6月期の上場企業も減益率が改善し始めている。記事にもあるように、売上は落ち込んだままであるが、合理化(工場再編や人件費の抑制)により利益を叩き出しているようだ。某大手電機メーカーでは、例えば中堅クラスで、賞与カットだけでなく月次給与までカットをかなりの水準で行ったとのことだ。役員賞与は当然だが、社員レベルまで業績連動型の報酬体系が当たり前となってきている。
 株価も企業業績の底打ちと回復期待から3月に年初来最安値を付けて以降上昇トレンドが続いている。各国の景気対策、企業の合理化による収益改善を織り込んでのことで、株価回復の第一ステージもそろそろピークであろう。今後も中長期的に上昇トレンド(第二ステージ)を維持していくためには、日本経済の明確な成長戦略、企業業績の本格回復のための売上改善と、雇用悪化底打ちのための中小企業と地方経済を回復が望まれるが、現状ではその兆候も少なく、当社では短期的には売りを推奨している。