2009年2月28日土曜日

2/28(土) 米政府、シティ株最大36%保有へ

NYダウ 7062.93 ▼119.15
為替(NY27日終値) 97.50-60/米ドル
 米財務省は、シティグループへの追加支援策として、政府が保有するシティの優先株のうち最大250億ドル(約2兆4000億円)を普通株へ転換し、シティ株を最大で36%保有、政府が筆頭株主となる見通しである。これで「完全国有化」は避けることになったが、普通株へにの転換で大幅に既存株主価値は希薄化するため、シティ株は▼39%の1.50ドルまで下落した。金融安定化に向け米政府は着実に手を打ってきているが、株式市場にとっては今回の政府によるシティ株保有はマイナス材料となった。
 市場では金融安定化策の詳細が早急に明らかになるのを催促しており、その裏返しとして不良資産の処理策が具体化すれば株式マーケットにとってプラスに働くとの見方もあるようだ。確かに不良資産が総額どの程度あり、今後どのように処理されるかということが明確になれば不透明感が一掃され安心感も出てくるかもしれない。しかしながら不良資産の総額が明らかになると、その処理には膨大な金額と時間を要することが明らかになり、景気回復にも相当の期間を要することになれば、マーケットは失望せざるを得なくなるかもしれない。

2009年2月27日金曜日

2/27(金) 急速な景気悪化に慣れてきた?

日経平均 7,568.42  △110.49
為替(17時) 97.86-89円/米ドル
 日本の景気を左右する輸出の動向を見る上で重要な指標である1月の鉱工業生産は、事前の予想通りの前月比-10.0%過去最大の落ち込み幅で、9月のリーマンショック以降急速に落ち込んでいる景気はまだ底を確認することはできていない。しかしながら、同時に発表された製造工業生産予測指数では、3がつには2.8%プラスに転じる見込みで、トヨタ、日産も在庫調整に目処が立ち、5月から生産を増やす予定だという。
 昨年来の急速な景気悪化で、先行きが全く見えない状況であったので、企業も消費者も、様子見することは当然の自衛手段である。ところが、景気が悪い状況なりに、コスト削減やリストラなどの企業努力で生産性を高め、昨年比では落ち込むものの各種経済指標も改善を示す内容のものも散見されるようになってきた。景気が悪いなりの対応を企業も消費者も行っているので、一旦は当座の景気の底はかなり近いのではないかと考えている。

2009年2月26日木曜日

2/26(木) 外国人投資家動向

日経平均 7,457.93  ▼ 3.29
為替(17時) 97.94-97円/米ドル
 外資系証券経由の東京株式市場の寄付き前注文状況は10営業日連続で売り越しとなっており、2月に入って買い越した日は2、3日しかない。国内株式市場は数年来買い越していた外国人投資家が買いに戻ってくるまでは、現状、株価の上値を追いかける雰囲気はない。
 外国人投資家は、ヘッジファンド等の3月末解約に向けての換金売りが出てくると思われるが、最近の為替相場での円安進行で、外国人から見た場合の日本株は株安、円安のダブルパンチを見舞われたような状況なので、さすがに今後は株価、為替水準からも、換金売りは一巡してくるのではないだろうか。またヘッジファンドの解約の45日ルール(解約日の45日前までに解約手続を行わなければならない)で、2月の中旬までに申し出のあった3月末解約分の換金売りも今月中には大方終わるであろう。政府による株価対策への期待もあり、当面は需給面からも、日経平均で8500円程度までの買戻しを中心としたリバウンドが期待できるのではないだろうか。

2009年2月25日水曜日

2/25(水) 米オバマ大統領初の議会演説

日経平均 7,461.22  △192.66
為替(17時) 97.15-18円/米ドル
 米オバマ大統領が24日、米上下院合同の本会議で初の議会演説を行った。「我々は再建し、復活し、米国はより強くなる」と国民へ訴えた。景気回復の目処が見えず、金融安定化策の詳細の発表も市場の期待よりも遅れており、オバマ政権への期待がやや薄れてしまう可能性が出てきたタイミングでの議会演説で、オバマ大統領の演説力もあり、国民の関心と支持を惹きつけることに成功したようだ。金融安定化での目新しい発言もなく、市場は一時NYダウで▼200まで下落したが、金融監督当局(米財務省、米連邦準備理事会FRB)の資産査定を4月末までに行い、資本不足なら予防注入を行うとの内容で、着実に金融安定化に向けた動きは出てきている。スピード感を求めるマーケットには物足りないかもしれないが、今はブッシュ前政権時のように拙速で場当たり的な対応を行い、事態を悪化させてしまうよりは、着実に一つ一つ問題をクリアしていくことで、事態を好転させて欲しいものだ。

2009年2月24日火曜日

2/24(火) 野村證券3000億円増資

日経平均 7,268.56 ▼107.60
為替(17時) 95.35-38円/米ドル
 野村證券は最大で7億5000万株(約3000億円)の増資を決議した。増資の目的は海外事業の強化と人材獲得だという。株式市場では発行済株式数が約28%増加することによる既存株主の希薄化を起きることを嫌気して、終値420円(▼43、-9.3%)と大きく値を下げ、年初来安値更新し、26年ぶり安値水準となった。増資計画を発表した2/6以降で約26%下落しており、ほぼ希薄化分だけ値を下げた格好となった。
 当社では野村證券の増資をポジティブに評価している。理由は、①野村グループは、2007年には営業収益の約50%を海外で稼いでおり(2008年はサブプライム問題等で海外部門は営業赤字)、国内大手金融グループの中で唯一、海外の顧客に対し海外で収益を上げている。②国内の他社は外資系金融機関に一部出資を行ってはいるが、野村は出資ではなく、積極的に買収(例えばリーマン欧州、アジア部門や、米系資産運用会社)を行っており、過去の海外での実績を踏まえると、今回の海外部門強化のための増資は中長期的には株価にとってもポジティブに働くであろう。

2009年2月23日月曜日

2/23(月) SFCG破たん

日経平均 7,376.16 ▼40.22
為替(17時) 93.32-35円/米ドル
 商工ローン大手SFCG(旧商工ファンド)が、民事再生法の適用を申請した。負債総額は3380億円で、今年に入って最大規模の倒産となった。ほとんどの金融機関から新規の資金調達ができなくなり、2月末の資金手当てが難しい状況となったとのこと。また、強引な取り立てが社会的問題となったことも信用力低下につながった。政府も有効な景気対策が打てていないため、経営状況が厳しい企業の3月末での資金繰りが非常に不安である。SFCG以上の大型倒産が今後起こる可能性もあり、政府の景気対策成立へのスピード感が全く感じられないので、日本経済の実態は悪化を続けている。
 今日の東京株式市場はSFCG破たんのニュースにもあまり反応せず、日経平均も一時▼200以上の局面もあったが、大引けは▼40と小幅安で取引を終了した。7000円台前半の水準は割安な水準だと思われるが、積極的な買い手は見つからない状況だ。やはり、世界景気悪化の震源地である米金融安定化策んp詳細の発表と、国内では麻生政権の終焉が、株価反転に必要な要件であろう。

2009年2月22日日曜日

2/22(日) 催促相場

 先週は、米大手銀行のシティ、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)の国有化観測から大きく売られ、シティは金曜(20日)終値で1ドル台、バンカメも3ドル台と一週間で両社とも40%程度下落した。
 今週は米住宅市場の指標がいくつか発表を控えており、センチメント(投資心理)が冷え込んでいる現状では、悪い数字に対し素直に反応するであろうし、短期的な売り方も勢いづく可能性が高い。売り方は米政府が近々発表するであろう金融安定化策の具体策が明らかになるまでは強気であろうし、買い方もなかなか手を出せない状況だ。また、未曾有の金融危機の状況下での各金融機関が保有する証券化商品の総額とその値決めの仕組み(つまりどれだけあっていくらなのか)が明確にならなければ、金融安定化策の詳細が発表されても、マーケットは失望しマイナスに働くであろう。
 当社では、昨年のベア・スターンズの案件を含め、危機対応での経験と実績のあるガイトナー財務長官を中心としたチームは、今週中になんらかの手を打ってくると見ている。つまり、シティの株価が表わしているように、まったなしの水準まで下落している相場状況で無策であることは考えられない。打ってくる手も、有効な政策を催促している市場関係者を納得させる内容になるのではないだろうか。

2009年2月21日土曜日

2/21(土) 先が読めないので短期売買

NYダウ 7365.67 ▼100.28
為替(NY20日終値) 93.30-40/米ドル
 昨日(2/20)のNY株式市場は大手銀行株(シティ、バンク・オブ・アメリカ)の値動きに振り回される1日であった。ドッド米上院議員(民主党、コネチカット州)が「少なくとも短期間は」一部銀行の国有化が必要な可能性があると述べため、下落基調だったシティの株価は2/19終値で2.51ドルと最安値水準だったが、昨日は1.61ドルまで下落した。午後、ホワイトハウスのギブス報道官が、銀行システムは民営が正しい方向だと確信していると表明したためシティの株価は一時2.33ドルまで回復、つれてNYダウも一時前日比▼200ドル強から△3ドルまで急回復したが、結局大引け▼100(シティは1.95ドル)となり、一日を通して大手銀行の今後をめぐり噂で終日荒れた展開であった。
 CNBCテレビの観測報道によると、金融安定化策の詳細が来週にも発表される見込みという。事実なのか噂なのか不明だが、いずれにせよ世界経済や金融不安の先行きが見えない限り、昨日のNY株式市場のように、噂をめぐる短期売買が取引の中心となるであろう。割り切っての短期勝負する場合はともかく、特に金融株への投資は、先行きが見えてきてからでも遅くないと思われる。

2009年2月20日金曜日

2/20(金) 米大手銀行国有化懸念vs金融安定化策

日経平均 7,416.38  ▼141.27
為替(17時) 94.12円/米ドル
 マーケットは2/10の米国金融安定化策の骨格が発表されて以来、金融株を中心に軟調な展開が続いている。シティは発表前は株価約4ドルだったが、昨日は2.5ドル(約▼37.5%)、バンク・オブ・アメリカは約7ドルから4ドル割れ(約▼42%)と、不良資産と業績不振による国有化懸念から大きく売られている。大幅な株価下落はパニック売りに近い状況にまで進展しており、まさに待ったなしの状況で、今日のNY市場の動向から目を離すことはできない。
 オバマ大統領は就任式で「大胆かつ迅速」に経済対策を講じると述べた。金融システム問題は非常に複雑であるため、拙速で場当たり的な対策は打てないのは当然で、慎重に進めるべきだが、主要銀行株の下げが極端に進んでいるため、かなり早い段階で金融安定化策の詳細を発表しなければ、オバマ政権とFRB(米連邦準備制度理事会)に対する期待と信頼が揺らぐことになってしまう。これはマーケットと政府・FRBとのスピード勝負である。当社では米政府・FRBが有効な金融安定化策を発表し、一旦はマーケットの下落に歯止めをかける展開になると予想している。

2009年2月19日木曜日

2/19(木) 為替市場

日経平均 7,557.65 △23.21
為替(17時) 93.55-58円/米ドル
 10-12月期の国内総生産(GDP)が-12.7%に落ち込んだことや、経済危機に対応すべく日本政府の混迷ぶりに、世界の投資家は日本に対して不信感を高めている。今までは、リスク回避志向が強い場合、円高-株安、リスク回避志向が弱まった場合は、円安-株高だったが、最近のマーケットでは、円安-株安になってきている。為替市場も日本経済の急激な落ち込みと、景気対策を効果的に対応するはずの日本政府の混迷が、投資家の日本離れ(円安)加速させている。
 対ドルだけでなく、ユーロ、英ポンド、豪ドルなどに対しても円安が進んでいるが、今後はどのような展開になるだろうか。大方の見方では、米国は大型景気対策により財政が悪化し米ドル安が進行するのではないか、であったが、最近では、景気悪化が比較的早かった米国よりも、日本経済、ヨーロッパ経済の方が落ち込みが大きく、景気回復には、それなりに時間がかかるだろうとの見方が多く、相対的に米ドル高になってきている。さらにオバマ政権による具体的な景気対策が打ち出され、金融安定化策の詳細が発表されれば、米国への期待感から意外にもドル高が続く可能性がある。

2009年2月18日水曜日

2/18(水) 日米の金融株

日経平均 7,534.44  ▼111.07
為替(17時) 92.57-60円/米ドル
 昨日のNY株式市場は▼297の7552.60と大幅に下落をし、個別銘柄では金融株の下げが大きかった。2/10に米ガイトナー財務長官が発表した金融安定化策が具体的な対策まで踏む込めなかったことから、あらためて不良資産の総額がどの程度の額なのか、それに対する有効な解決策を策定できるのだろうか、など不安心理が高まってきており、特にCITIやバンク・オブ・アメリカ等の銀行株は11月下旬と1月中旬の最安値近辺まで売られている。日本株でも同様に金融関連銘柄は軒並み年初来安値更新しており、現状では反発の兆しは全く感じられない。
 日米ともに金融株、特に銀行株の株価回復には、個別企業ごとの自助努力も重要だが、やはり世界同時不況下では、日米ともに政府による金融支援策が具体的に発動されれば、金融株も上昇局面になるであろう。米金融安定化策の詳細は数週間後に発表される予定で、今後はその安定化策立案までのプロセスの情報に対し、株価は敏感に反応することであろう。

2009年2月17日火曜日

2/17(火) 政局と株式市場

日経平均 7,645.51 ▼104.66
為替(17時) 92.22-25円/米ドル
 野村金融経済研究所による個人投資家向けのアンケートで、日本株式市場の低迷の理由の1位は麻生政権による経済政策の不調だそうだ。G7での中川昭一大臣の醜態も、世界に対して日本の政策担当者の混迷ぶりをさらしてしまうこととなり、誠に残念な事態であった。日本株式の売却をするかどうか検討している外国人投資家も、G7での会見を見てしまうと、売却を決断することであろう。
 今後の政局混迷がどのように展開していくかは読みにくいところだが、総選挙で国民の民意を問うて欲しいという、国民のニーズを最優先してもらいたいものだ。自民党幹部は残念ながら政争の具ばかりを重視し、国民の声を全く無視し続けている。おそらく、株式市場はもし仮に麻生政権の崩壊→総選挙が決まった段階で、政局混迷が打開されるのではないかという期待感からプラスに働くだろう。また、最近の株式市場に対する短期的なセンチメント(投資心理)は米金融安定化策の遅れや、ビックスリー問題などが原因で冷え込んでいるが、今後は日本を含む各国の財政出動や景気対策の発動により、短期的なセンチメントも回復するのではないだろうか。
 

2009年2月16日月曜日

2/16(月) 景気悪化の連鎖とその反動

日経平均 7,750.17  ▼29.23
為替(17時) 91.58-61円/米ドル
 本日発表の2008年10‐12月期の国内総生産(GDP)速報値は前期比-3.3%減、年換算で-12.7%と35年ぶりの減少率となった。予想されていた内容であったので、マーケットへの反応も限定的であったが、あらためて外需、内需ともに急速に悪化していることが統計上でも示された。9月のリーマンショック後、世界経済は連鎖して景気悪化が加速している。
 高い技術力で世界的にも評価されている製造業のある企業でも、10月以降、世界各国からの注文の引き合いは高水準でも、発注は見合わせるケースが多いという。また為替面では、円ドル、ユーロばかりが円高の影響について報道されているが、韓国ウォンなど対アジア通貨での急激な円高進行で、対アジア諸国での円建ての輸出も、発注するアジア諸国が円高を理由に発注を引き合いに出しても、現状、発注は現状見送っていることが多い。しかしながら、米国を中心に世界各国は景気対策・財政出動を打ち出し、先の見えなかった世界経済が少しでも光が見えるようになれば、見合わせている商取引も徐々に回復してくるであろう。そうするとおのずと株式市場もその動きに反応するではないか。

2009年2月15日日曜日

2/15(日) 米金融安定化策とセンチメント

 2/10に世界が注目した米金融安定化策が発表された。不良資産を官民合同で買い取るというプランは今後の不良資産の解決には有効だと思われるが、買い取り規模や価格算定などの具体性がなかったため、マーケットは失望し、発表直後からNY株式市場は大きく値を下げ、NYダウで▼330となった。マーケットは金融安定化策に対し期待が大きかった分、その反動が出た形だった。
 しかしながら、短期的に失望売りが出たのは、短期売買を主とする投資家が、金融安定化策発表に向け期待感から買いを入れていたが、具体性に欠けたため短期的には株価上昇は難しいと判断し売ったのだろう。センチメント(投資心理)が短期的に期待感からの強気から、失望感から弱気になっただけで、今後はさらなる悪材料がない限り、マーケットも落ち着いた展開になるだろう。むしろ弱気になった短期的センチメントも、数週間中にまとまる金融安定化策の詳細が明らかになるまでは、その期待感からセンチメントは少しずつ上向いてくるのではないだろうか。その具体策が不良資産処理に一定の効果があるような内容になるならば、センチメントは一気に上向き、大方の予想に反し、例えばNYダウ、日経平均でそれぞれ4月までに10000レベル程度までの上昇も期待できると考えている。

2009年2月14日土曜日

2/14(土) 世界同時不況下での銘柄選択

NYダウ 7850.41 ▼82.35
為替(NY13日終値) 91.75-85/米ドル
 来週発表のGDP(国内総生産)が10-12月期が年率換算で▼10%以上になるとの見込みで、また日々の経済ニュースも雇用削減、赤字転落、業績下方修正など、悪いニュースばかりである。株式マーケットは6か月から1年程度景気を先取りしていると言われているので、昨年9月のりーマーンショック以降、株価は急落しており、今後はこれ以上に景気が大幅に悪化するならば株式市場も下落するだろうが、世界各国が景気下支えのための財政出動や追加景気対策が打たれる見込みなので、マーケットも昨年後半のような急落の可能性は少ないだろう。
 世界同時不況下での投資のポイントは、不況が続くからこそ業績拡大が期待できる企業、例えば低価格志向のニーズを捉えたニトリ、楽天など、不況下でも確実に業界全体の伸びが期待できる業種、例えば介護など、個別銘柄選択が極めて重要なマーケット環境である。業績が悪化する企業が増加している分、好業績銘柄には相対的にも投資資金が集まりやすいので、投資収益も期待できるのではないだろうか。

2009年2月13日金曜日

2/13(金) 縮小する市場参加者と個別銘柄

日経平均 7,779.40  △74.04
為替(17時) 91.17-20円/米ドル
 昨今の世界同時不況下において、株式市場の低迷、景気回復のきっかけが掴めない、金融機関の業績不透明感などの理由から、株式マーケットへの参加者は明らかに減少している。2007年後半以降の株式市場の一方的な下落が続いているので、なかなか新規に投資を行うことが難しい局面だ。
 市場参加者が減少してくると、特に新興3市場(ジャスダック、東証マザーズ、大証ヘラクレス)の好業績の企業の中で、株価が明らかに割安に放置されている銘柄が散見されるが、おそらくアナリスト、ファンドマネージャーなどのプロの投資家でさえ見落としていると思われ、絶好の投資機会であると思う。「100年に一度の危機」かどうかはわからないが、少なくともここ10~20年の中では一番の景気の落ち込みと株価の低迷であるので、極端に割安な東証1部の主力企業への投資機会を窺うのも大切だが、この厳しい環境下でも、独自の技術や経営戦略で他社を差別化し業績を伸ばしている成長企業への投資こそが、今後の投資収益の増大に貢献するのではないだろうか。

2009年2月12日木曜日

2/12(木) 米オバマ大統領「change」の正念場

日経平均 7,705.36  ▼240.58
為替(17時) 90.14-17円/米ドル
 世界同時不況下での世界一の経済大国アメリカ合衆国大統領オバマ氏のリーダーシップへの期待は計り知れないほど大きい。景気対策法案は予定通り2/16までに成立の見通しだが、金融安定化策に関しては、具体性に欠けマーケットは失望し、今年一番も下落(2/10)となった。ガイトナー財務長官は数週間以内に具体策をまとめると翌日に発言したものの、米国発の世界同時不況が加速している最中、政策運営のスピード感に欠けるとの批判も出始めた。現環境下では米政府への要求も平時に比べれば厳しいものがある。
 「Change」のキャッチフレーズに、国民の意識や悪化する経済状況をChangeさせようと政権はスタートしたが、今回の金融安定化策が具体性に欠けたため、早くもオバマ政権への高い期待を揺るがす状況を向かえているようだ。オバマ政権は閣僚や政策担当者にアメリカの叡智を集めたドリームチームと言われるほどのメンバーで構成されていると評されいる。数週間以内、できれば早い段階での具体的で金融不安解決の道筋が見えるような金融安定化策を期待したい。

2009年2月11日水曜日

2/11(祝) マーケットと政府・政策担当者

NYダウ 7888.88 ▼381.99
為替(NY10日終値) 90.40-50/米ドル
 米ガイトナー財務長官が金融安定化策を発表し、発表直後からNY株式市場は下落幅を拡大し、▼381(▼4.6%)と今年一番の下落となった。不良資産購入の仕組みについての具体性が欠けるとの見方から、米金融システムへの先行き不透明感が広がり大幅下落となった。そもそもガイトナー財務長官は金融安定化策を骨格を2/9に発表すると当初から述べていたし、発表内容も事前の予定通りであったが、マーケットは金融不安の全面解決の明確な道筋を期待していたのだろう。
 米政府・政策担当者もおそらく全力で諸外国との協調を含め具体策を詰めていると思われるが、万全な策に仕上げるには多少の時間も必要であろう。拙速で場当たり的な解決策を提示すると、前政権の二の舞になってしまうのは言うまでもない。昨日のNYマーケットは少しせっかち過ぎるのではないだろうか。今週末のG7(7ヵ国財務省・中央銀行総裁会議)やここ数週間中の米政府・政策担当者の万全な具体策の提示を期待したい。

2009年2月10日火曜日

2/10(火) 日米リーダーシップ比較

日経平均 7,945.94  ▼23.09
為替(17時) 91.34-37円/米ドル
 最新の内閣支持率は各社軒並み20%を切り、低下の一途をたどっている。また最近では郵政民営化をめぐる麻生首相の発言が問題視されている。我が国のリーダーとしてこの未曽有の経済危機に対処していくべく、リーダーシップが一番の必要とされる時期なので、是非国民の期待に応えてほしいと切に願うが、残念ながらリーダーシップは全く感じられない。株式市場は麻生政権に対して冷静に受け止めていると思われ、政局が多少混乱しても反応することはないだろう。むしろ、総選挙が行われ仮に政権交代で民主党政権が誕生でもすれば、現政権に対しての期待はないに等しいので、逆に期待感も出てくるであろう。
 一方、米オバマ大統領は昨日午後8時(視聴率が高いプライムタイム)に政権発足後初の公式会見を行った。経済危機に対して景気対策の早期成立を促すなど、国民へ語りかえることで政策への支持を訴えた。景気対策、金融安定化策の内容を吟味しないとその効果は未知数だが、少なくとも1国のリーダーとしてのリーダーシップを強く感じた。おそらく内容も期待にある程度応えるものとなるであろう。

2009年2月9日月曜日

2/9(月) 米金融安定化策で乱高下

日経平均 7,969.03  ▼107.59
為替(17時) 91.16-19円/米ドル
 米金融安定化策への期待から、先週末のNY株式市場は、1月の雇用統計の内容が予想よりも悪かったにもかかわらず上昇しいており、その流れを受けて東京株式市場も寄り付きから上昇し、日経平均で一時先週末比200円近く上昇した。その後、金融安定化策は実効性に乏しい内容になるのではないか、との観測が広がり、引けにかけて売り急ぐ展開となり、結局安値引けとなった。
 今日の株式市場は同じ材料(米金融安定化策)をめぐり、好材料にも悪材料にも受け取られた形となった。それだけ世界同時不況下での、米金融安定化策と景気対策法案に対する期待と不安が大きいのだろう。9日のNY株式市場も東京と同様に期待と不安で一進一退の展開になるであろう。10日以降のマーケットはむしろ、金融安定化策の実効性に疑問を持つ市場関係者が多い分、内容如何で買戻しをきっかけととした上昇相場が期待できよう。ここ数カ月のマーケットは景気悪化や決算下方修正などの悪材料ばかりで、好材料に対して飢えているので、今回は意外にも大きく反応するかもしれない。

2009年2月8日日曜日

2/8(日) 定額給付金は予想外に効果あり?

 世界同時不況が進行する中、その震源地の米国では今週、景気対策法案が可決され、金融安定化策も発表される。株式市場にとっては金融安定化策がどの程度不良資産問題を効果的に解決できるか、その内容如何によっては相場急騰もしくは急落があるかもしれないが、いずれにせよ景気悪化を食い止める内容であることを期待したい。
 日本では、未曾有の景気悪化のスピードにもかかわらず残念ながら麻生政権は効果的な景気対策が打ち出されていない。国民の約60%が反対している定額給付金も財源の約2兆1000億円をもっと他の政策(例えば太陽エネルギー開発への重点投資など)で有効に使うべきだと考えるが、いずれにせよ3月以降に給付されることになるであろう。世論調査では、定額給付金には反対していても、給付されればほとんどの国民が受け取るようだ。定額給付金に関してはマスコミ報道では批判一色で、その経済効果も全くないような論調だが、各地方自治体が地域限定のプレミアム付き商品券を発行計画など景気浮揚に向けての自助努力が感じられるし、リーマンショック後の景気急降下で国民は消費を極端に抑えており、この定額給付金が支給された時くらいは、意外に昨今の買い控えの反動もあり、給付金で消費に回し、一時的には予想外の効果を上げるのではないだろうか。

2009年2月7日土曜日

2/7(土) 米雇用統計悪化でも株高

NYダウ 8280.59 △217.52
為替(NY6日終値) 91.80-90/米ドル
 6日のNY株式市場は、注目の経済指標である1月の雇用統計で、失業率は前月より0.4%高い7.6%、非農業部門の雇用者数は59万8000人の減少と、景気の悪化が確実に進んでいることを示す内容で、事前のエコノミストの予想平均値よりも悪い数字であったが、NYダウは△217.52と上昇してy取引を終えた。
 9日にも米景気対策法案が成立し、合わせて金融安定化策を公表することが株価上昇の材料であった。リーマンショック後の世界的な景気急降下で、企業決算の下方修正や、各種景気指標の悪化にも関わらず、最近の株式市場は下値が堅くなってきており、米国の政策が発表されると株式市場は売り方からの買戻しによる上昇が期待できるではないか。また、企業や家計の急速に冷え込んでいるマインドも上昇することはなくとも、一旦は冷え込みが止まるのではないだろうか。4月に向けて第一4半期の金融機関の決算が改善されるのではないか、ロンドンで開催予定の金融サミットで国際協調策が発表されるのでないか、などの期待感から4月前後までは堅調な株式相場になると予想している。

2009年2月6日金曜日

2/6(金) 様子見相場はいつまで続く?

日経平均 8,076.62 △126.97
為替(17時) 90.95-98円/米ドル
 5(木)のNY株式市場は、メディアが「バットバンク」構想について、厳格な時価会計を用いずに不良債権を買い取る、との報道を好感しNYダウは△106.41と反発した。東京株式市場(日経平均)もNYダウもリーマンショック後の10月以降ともに8000から9000でのもみ合いが4か月ほど続いており、また東証など主要3市場の信用取引残高も約5年半ぶりの低水準となっており、買建て売建てが拮抗している。100年に一度の危機かどうかはわからないが、未曾有の経済危機と言われている現環境下では、株式への投資は先行きが不透明なので見送り、逆にこの水準まで下落しているし、売るに売れないため様子見を決めた投資家が多いのだろう。
 では、このもみ合い局面が変わる(マーケットが上か下か)きっかけは何になるだろうか?やはり危機打開の先行きが多少でも見えてくる可能性のある、米金融安定化策と景気対策であろう。来週9日には金融安定化策の骨格が発表される予定だ。昨今、オバマ政権の議会運営に対し不安な意見を出始めてはいるが、当社ではマーケットが好感するような政策がまとまるのではないかと見ている。

2009年2月5日木曜日

2/5(木) 米国債発行増と国際協調

日経平均 7,949.65  ▼89.29
為替(17時) 89.52-55円/米ドル
 昨日(2/4)のNY株式市場は、1月の米ISM非製造業総合指数が予想を上回り、ダウ平均は高い場面もあったが、来週にも発表される金融安定化策において、大手金融機関の国有化懸念(株主責任を問われる)からバンク・オブ・アメリカなどが大幅に下落するなど、結局▼121で引けた。最近のマーケットは足元の景気指標よりも、政府の景気対策の行方しだいという展開が続いている。
 米財務省は、昨年からの危機対策のため大幅な財政出動が続いており、米国債の発行額も2008年10月からの半年間で約1兆ドル(約90兆円)と過去最高の発行額となる見込みだ。この大量発行される米国債の最大の引き受け手は中国・日本・中東などの産油国である。米国の危機打開のため財政出動したその財源である国債を諸外国に引き受けてもらいつつ、自国の景気対策としてバイアメリカンを推進というのは、あまりに虫のいい話ではないだろうか。確かに米国中心に世界経済は回っていることは否めないが、危機を打開するには各国が景気対策、金融政策などで国際協調することが不可欠であることは言うまでもない。来週の米景気対策法案の可決とその内容に期待したい。

2009年2月4日水曜日

2/4(水) バイアメリカンと国際協調

日経平均 8,038.94 △213.43
為替(17時) 88.90-93円/米ドル
 世界が注目している景気対策法案は米上院の審議に入り、上院案では規模の総額が8870億ドル(約80兆円)と、先に可決した下院案を約1割上回る見込みだ。公共事業などで米国製品の使用を義務付ける「バイアメリカン」条項に関して、世界各国から米国の保護主義には賛同できないと異論が相次いでいる。オバマ大統領は同条項の成立よりも国際協調を重視し、見直す方向を打ち出しており、法案を以前公言した2/16までには成立させたい考えだ。しかし同条項を推進する議員からの強い推進もあり、法案成立にやや暗雲が立ち込めつつあるようだ。
 おそらく、オバマ大統領の就任直後ということで2/16までには議会内を調整し成立させるであろう。また、大統領ハネムーン期間(就任から100日間)内に有効な政策を実行することで国内だけでなく、諸外国との信頼を強固にするために、マスコミ、エコノミスト等の予想を超えるような景気対策として期待の持てる内容になるのではないか。もし仮にそうであるならば、現水準での株式投資はいいタイミングかもしれない。

2009年2月3日火曜日

2/3(火) 個別株投資とインデックス型投資 

日経平均 7,825.51 ▼ 48.47
為替(17時) 89.71-74円/米ドル
 今日の東京株式市場は、最近の市場動向を表した典型的な1日ではないだろうか。寄付前の外国人売買動向(市場筋推計、外資系12社ベース)が売り越しと伝わり、市場は売り先行で始まった。その後方向感なく前場を終了し、昼休み中に 日銀が金融機関が保有する株の買取を再開すると伝わり、後場は日経平均で一時200円の上昇を見せたが、引けにかけて足元の業績不安や米金融安定化法案の行方を確認したいとの見方から売られ、結局前日比マイナスで取引を終了した。日米の景気対策、金融安定化策への期待や不安に相場は振られるという最近の傾向をよく表している。
 政府の政策に対し期待や失望などで今後も相場全体は上下に振られるであろう。また、100年に一度の事態と言われている環境下で、今後のパラダイム変化を想定した場合、個別企業ごとの経営方針によりそれぞれの企業の命運は大きく分かれよう。弊社は今の投資環境下では、インデックス投資を避け、今後のパラダイム変化で業績を伸ばすであろうという企業を個別にピックアップし、確信を持った先にだけ投資を行うことが重要であると考えている。

2009年2月2日月曜日

2/2(月) 業績下方修正ラッシュ

日経平均 7,873.98  ▼120.07
為替(17時) 89.38-41円/米ドル
 2日の東京株式市場は、先週末のNY市場が、金融安定化策の遅れ懸念などで下落した流れを引き継いだのと、日立、パナソニックなどの業績大幅下方修正の発表を受け、電機・ハイテク関連を中心に下落して引けた。日立は年初来安値を大きく割り込み▼50の244円まで下落した。パナソニック、ソニーなどは年初来安値(昨年の10月下旬から12月上旬に安値を付けたケースがほとんど)は更新していないが、主力電機・ハイテク株はその近辺まで下落している。
 14:00に1月の新車販売台数の発表があった。大方の予想を下回り前年比-27.9%(軽自動車除く)と厳しい内容であったが、例えばトヨタぼ株価は▼40の2885円(-1.37%)と日経平均とほぼ同じ下落率であった。先週末の日立に関しては予想を大きく上回る下方修正であったが、自動車株、電機・ハイテク株(日立を除く)は2009年3月期の下方修正分は大方織り込んだのではないだろうか。今週は第3四半期決算発表のピークとなるが、その発表内容と株価の動向は要注目だが、おそらく株価は下方修正分を織り込んだ上で安定的に推移すると見ている。

2009年2月1日日曜日

2/1(日) 最近のマーケット動向

 昨日のNY株式市場は、取引開始直後は第4四半期の米国GDP速報値が、エコノミスト予想は年率換算で-5.4%に対し、実際は-3.8%と予想ほど弱い数字ではなかった。NY株式市場の寄付はその発表を受け小高く始まった。しかしながら、CNBCテレビが国による不良債権買い取り機関(バッドバンク)設立に関して、バッドバンクをどう機能させるかをめぐり米政策当局者の間でコンセンサスは得られておらず、構想そのものが進展しない可能性がるあるとの報道から、シティが9%下落するなど、金融株を中心に引けにかけて売られ、NYダウも▼148ドル下げほぼ安値圏で引けた。
 株価材料としてはGDP速報値のほうが実体経済を表す重要指標であると思われるが、バッドバンク構想に関するメディアの報道はあくまで不確実性のある観測報道であるが、株式市場は後者に大きく反応した形だ。それだけ株式マーケットは政府による金融安定化に向けた政策頼みの相場になっている。オバマ大統領、ガイトナー財務長官は「大胆かつ迅速に」対策を講じると就任式で表明している。もちろん株式市場は一つの材料だけで変動しているわけではないが、観測報道でこれだけマーケットが変動するのなら、バッドバンク構想を含め、金融不安を落ち着かせる可能性のある政策が発表されたときは、強烈な売り方の巻き戻しによる株式市場の上昇もあるかもしれない。