2009年5月23日土曜日

5/23(土) 米トリプル安懸念

NYダウ(23日終値) 8277.32 ▼14.81
為替(23日NY終値) 94.70-80/米ドル
 米国債相場は下落し、10年債は週間ベースで2008年6月以来最大の下げ幅となった。2週間ぶりに再開される財務省の入札を前に投資家は国債を買い控えた。10年債利回りは昨年11月以来初めて3.4%を上回った。過去最大規模の国債発行で、米国の「AAA」格付けが損なわれる可能性があるとの懸念が広がっている。特に長期債が下落しており、最近のドル安傾向(対円で4月上旬には101円台から、最近は94円へ円高)や、株価も3/9からの上昇相場も最近は上値が重い展開になってきている。リーマンショック後の景気急減速が昨年10月から続いていたが、3月あたりから一部景気指標に下げ止まり感が出始め、世界景気に楽観的な見方が広がっていたが、雇用の悪化や今も燻る金融不安もあり、株式市場は上値を追うだけの材料に乏しい。むしろ米金融不安や景気対策のための巨額な財政出動(財政赤字)へマーケットの視点が移ってきた。今後は財政出動による景気への明確な効果や、今後の米・財政再建への明確な道筋が見えない限りは、ドル安・債券安・株安というトリプル安への懸念を抱えながら投資判断を行っていく必要がある。

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