2009年5月31日日曜日

5/31(日) 二番底へ②

 3/10前後に日経平均で7000円、NYダウで6500ドルまで下落後、この3か月弱は堅調に推移しているが、リーマンショック後の金融危機をきっかけとした景気急落後の一服感や前月比での改善がみられる指標が散見されるようになり、年内の景気底打ち、回復という楽観的見方が広がっている。しかしながら当社では年内の景気底打ちの可能性はあるかもしれないが、年内の回復は難しいと見ている。回復局面は早くて2010年であろう。
 理由として、燻り続ける金融機関の不良債権問題だが、米国の一部大手行を除く米金融機関と欧州金融機関は高リスクの証券化商品の処理と資本増強には時間がかかるだろうし、米官民合同の不良債権買取プログラムがどの程度機能するかも未知数だ。さらに世界的な雇用悪化の歯止めがかかっておらず、例えば米国では4月の失業率で8.9%で年内にも10%台の可能性も高い。スペインでは20%近い状況で、日本でもITバブル崩壊後の不況以来の5%台突入で、雇用調整助成金制度の対象者(完全失業ではない)が200 万人を超え、世界的にも社会問題化しており、各国の政局運営にも大きな影響を与えるだろう。また、米国の巨額財政出動による財政悪化に伴う基軸通貨米ドルへの信認問題もあり、今回の不況は従来の景気循環的な回復を期待すべきではないだろう。

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