2009年4月3日金曜日

4/3(金) 短期的視点と反応

日経平均 8749.84 △30.06
為替(15時) 99.57-62/米ドル
 米国の会計基準を決める米財務会計基準審議会は、時価会計の適用除外となる金融資産の対象を広げる緩和策を決定、証券化商品などを市場価格が大幅に下落しても、「売買目的」で保有する金融資産の評価額について、市場取引に基づく時価会計ではなく、金融機関独自の見積もりで決められる対象が広げられるとのことだ。NY株式市場は金融機関の損失計上が少なくなるとの見方から、売り方の買戻しを中心に株価は上昇した。
 短期的には金融機関の損失計上が減り足元の業績は改善するであろうし、短期的な売買を行う投資家は買戻しや目先の株価上昇にベットすることであろう。しかしながら、中長期的視点で企業業績の回復や新しいビジネスでの成長期待に対し投資を行う投資家は、経営実態が見えにくくなった金融機関に対し純投資を行うことができるだろうか。また損失を抱えた金融機関は損失を抱え続けることが可能となり、不良債権処理が遅れるのではないだろうか。考えすぎかもしれないが、4月末まで行われている金融機関の資産査定(ストレステスト)の進行状況を踏まえ、損失を先送りしているのではないだろうか。いずれにせよ厳しい経済環境下でこそ中長期の視点で政策を実行すべきであろう。

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