2009年4月11日土曜日

4/11(土) ノンリコースローン

 2004年頃から2007年にかけて東京圏、名古屋圏を中心に不動産市況は活況であったが、2008年以降、特にリーマンショック以降の世界的な景気急減速の影響で不動産市況も低迷が続いている。上場企業でもアーバンコーポレイションや、REITのニューシティレジデンス投資法人などの経営破たんもあり、不動産市況の回復には時間がかかりそうだ。
 2004年以降の好況期に不動産投資での資金調達方法として、ノンリコースローンが活用されていた。返済の原資(元手)とする財産(責任財産)の範囲に限定を加えた貸付方法で、借り手は債権全額の返済責任を負わない。責任財産からのキャッシュフローのみを返済原資とする事、その範囲を超えての返済義務を負わないが、借主にとっては万が一返済不能になった場合、強制執行により事業基盤や生活基盤まで失うリスクを著しく低減できるが、貸主(主に銀行)は追加のリスクを負う事になるため、そのプレミアム分の金利が上乗せとなるメリットがある反面、融資先への審査能力が極めて重要である。大手銀行の3月本決算の見通しが出始めたが、ノンリコースローンによる損失が決算にどの程度影響を与えるのか留意すべきである。株価は3/10の安値以降日経平均でも2割以上上昇しているので、特にノンリコースローンに注力していた銀行株は一旦売却することも検討すべきであろう。

0 件のコメント: