2009年3月24日火曜日

3/24(火) 官民投資プログラム

日経平均 8,488.30  △272.77
為替(17時) 98.26-28円/米ドル
 ガイトナー米財務長官は、政府と民間投資家が共同で金融機関の不良債権を買い取る枠組みを発表した。(官民投資プログラム)民間投資家の出資額に応じて最大1000億ドル(約9兆8000億円)の公的資金を拠出。5000億ドルから1兆ドルの不良資産を金融システムから分離することが目的で、ローン債権の場合、買い取り価格を投資家の入札で決めるのが特徴だ。例えば簿価100ドルの債権を84ドルで買い取る場合、そのうち12ドルは官民が折半出資し(民で6ドル、債権全体の1/14)、72ドルは借入れで賄ってFDIC(米連邦預金保険公社)が保証をつける。つまり、民間投資家は6ドルの出資で簿価100ドル分の不良資産を購入できるうえ、リスクは6ドルまでと限定される。市場ではひとまず金融安定化策が具体化されたことで買い戻しが入り大幅上昇し安心感が広がった。しかしながら、2つの疑問点を指摘したい。①金融機関の不良債権が同プログラムにより処理が進むかもしれないが、金融機関側は不良資産の大幅損失が顕在化するのではとの懸念がある。②FDICの保証によりFRB(米連邦準備理事会)の財務健全性は保てるのだろうか。楽観論ばかりでないことも留意すべきである。

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