2009年1月31日土曜日

1/31(土) デカップリング論②インド

NYダウ 8000.86 ▼148.15
為替(NY30日終値) 89.85-95/米ドル
 2008年のインド株式市場は、代表的指数のSENSEX30で年間騰落率が‐52%と大幅に調整し、為替も円/ルピーで約34%も円高・ルピー安であった。また、2008年11月26日のムンバイでの同時テロ、今年に入ってインド4位のIT大手サティアム社による粉飾決算と、インド経済の信頼を揺るがす出来事も重なり、世界同時不況下では、インド株式に投資を行うのは勇気がかなり必要である。
 しかしながら、インド経済にはこの環境下でもいくつかの明るさがある。GDPに対する輸出の比率が約15%で、中国(30%強)をはじめ、他のアジア諸国と比較しても低いこと、人口動態が若く(インドの平均年齢は約26歳)今後も安定した内需が期待できること、海外から投資の規制が緩和されたこと。(企業の海外からの借入れ規制の緩和、外国機関投資家による社債投資の上限引き上げ等)ダボス会議でインド商工相のカマル・ナート氏はインド国内需要が安定しているので2009年も7%-7.5%の見通しとの見解を明らかにした。日本国内の世論は、国内外の経済に対し総悲観論一色だが、ポテンシャルのある市場も存在することも留意しておくべきであろう。

2009年1月30日金曜日

1/30(金) デカップリング論①中国

日経平均 7,994.05  ▼257.19
為替(17時) 89.45-48円/米ドル
 2007年8月に仏BNPパリバがサブプライムローンの問題により、同社のファンドの価格算出、募集、解約・返金業務を停止したことにより、金融不安の第一波が襲いかかった。この時期あたりから、米国を中心とした先進国が景気後退期に入ったとしても、BRICsを中心とした新興国経済が世界経済を牽引するという「デカップリング論」が展開されるようになった。
 現時点での結果論で言うならば、デカップリング論は終焉を向かえている。例えば中国は、GDP(国内総生産)の成長率を2003年以降毎年10%を超えていたが、2008年は9.0%と減速し、さらにIMF(国際通貨基金)の2009年の見通しは6.7%である。しかしながら、今回のダボス会議にて温家宝首相は、政府目標の8.0%成長は「困難だが可能だ」と述べている。現に4兆元(約57.5兆円)の内需拡大の経済対策の実施と、その裏付けとなる金融緩和を行い、中国人民銀行(中央銀行)が各銀行に融資拡大を求め、2008年12月の融資伸び率はこの4年間で最高であった。今後の中国経済の変化には注目すべきであるし、大国中国の内需拡大が世界同時不況を食い止めるきっかけになるかもしれない。

2009年1月29日木曜日

1/29(木) 新興3市場

日経平均 8,251.24  △144.95
為替(17時) 90.22-25円/米ドル
 新興3市場(ジャスダック、東証マザーズ、大証ヘラクレス)のリーマンショック後の株価指数の値動きはジャスダック、ヘラクレスがほぼ横ばい、マザーズは上昇傾向にあり、特に個別銘柄ごとに見てみると10月28日安値から2倍程度まで上昇している銘柄も複数ある。
 新興3市場は1999年のマザーズ開設以降、ライブドア問題に代表されるように、上場基準やコーポレートガバナンスに対する審査・監査の甘さが指摘されており、例えば当時はほぼノーチェックに近い状況で上場を認めたり、など、現在の世界同時不況の影響もあり、ピーク時の株価が90%以上下落している銘柄も珍しくはない状況だ。しかしながら、新興3市場の中にはこの厳しい環境下でも、独自の技術や経営戦略で他社を差別化し業績を伸ばしている企業もあり、危機をチャンスに変えるところも出てくることは間違えないだろう。たとえばすし成形機(すしロボット)でシェア50%以上を握り、折からの日本食ブームに乗り、海外展開を強化している企業など、非常にユニークで成長性が期待できる企業を、この株式市場の混乱期に仕込んでおくことは、おそらく将来的には良い投資にあるであろう。

2009年1月28日水曜日

1/28(水) 金融不安も小休止?

日経平均 8,106.29  △45.22
為替(17時) 89.16-19円/米ドル
 1/19英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の2008年決算が予想より大幅悪化の発表などの悪材料もあり、NY、東京など主要株式市場は年初よりやや軟調な展開が続いていた。しかしながら、ここ最近は下値を固めつつあるようだ。昨年3月以降の状況に似ているように感じるのだが、当時は米証券大手のベア・スターンズの実質経営破たんにより、世界の株式市場は下落したあと、米国の緊急利下げや流動性供給、戻し減税などにより、金融不安は燻り続けていたが材料視される機会は少なくなり、ベア社処理以降7月まで株式市場は堅調に推移していた。
 今回も金融危機をきっかけとした、世界同時不況はまだ底入れはしていないと思われるが、金融危機に関しては、オバマ政権発足後ガイトナー財務長官を中心に、不良資産対策として「バットバンク構想」など様々な対策を講じ、迅速に対応してくるであろう。また2/16までに成立予定の景気対策法案、4月の金融サミットなども予定されており、今後センチメント(投資家心理)が落ち着きを取り戻してくると、短期的には買戻しからの反発の可能性を考慮しておく必要がある。

2009年1月27日火曜日

1/27(火) 政府系ファンド

日経平均 8,061.07  △378.93
為替(17時) 90.03-06円/米ドル
 激動の2008年の金融マーケットにより、2007年まで好調だった政府系ファンドは、痛手を被っている。米シンクタンクの外交問題評議会はUAE(アラブ首長国連邦)のアブダビ投資庁(ADIA)は1250億ドル(約11兆2500億円)に相当する損失を出したと試算している。 ADIAの資産規模はおおよそ9000億ドル(約81兆円)で総資産に対する損益は約▼14%と厳しい状況である。
 しかしながら、ADIAは設立の1976年以来、投資収益率は未公表ながら、過去年平均で10%を超える投資収益を上げていたと言われている。2008年前半までは欧米金融機関の増資引受の主役だったが、ここ1年近く、政府系ファンドの動向は極めて静かな状況だ。昨年の厳しい結果があったとしても、その資産規模は莫大であり、今後の投資環境に改善の兆しが少しでも見えてくれば、今後のマーケットの牽引役となる可能性は高い。そのきっかけの一つはやはり米国・オバマ大統領による経済対策であろう。まずは2/16までの景気対策法案の成立、4月の金融サミットなど、世界景気改善に向けた動きもでてきているので、政府系ファンドも黙ってはいないのではないか。

2009年1月26日月曜日

1/26(月) 大方の予想通りには動かないマーケット

日経平均 7,682.14  ▼ 63.11
為替(17時) 88.65-68円/米ドル
 最近の経済ニュースは、2009年マイナス成長、企業業績下方修正、製造業の大幅減産、人員削減など、ネガティブなニュースばかりで、今日の日経平均株価もザラ場で一時7000円割れした10/28以来の水準まで下落し取引を終えた。
 日経新聞等の媒体に市場関係者の見通しが掲載されているのを見てみると、2009年の東京株式市場の見通しでは、見通しには幅があるものの、大方は年前半までは6000円割れから8000円前後で推移し、後半は各国の景気刺激策の効果から回復(9000円~12000円)という予想が多い。確かに足元で発表される経済統計、企業業績を見る限りでは年前半は厳しいと判断するのが妥当だろう。
 しかしながら、正確に統計を取ったわけではないが、マーケットは不思議なことに大方の予想どおりには動かないことが多い。最近の気になる兆候として、例えば信用取引の買い残は2003年(2003年の日経平均安値で7607円)以来の低水準であり 、また、買い残と同水準まで売り残は増えてきている状況を考えると、何かのきっかけでマーケットは年前半に予想外に上昇する局面があるかもしれない。

2009年1月25日日曜日

1/25(日) 米・欧10年国債利回り上昇

 日米欧の主要国はリーマンショック以降、世界同時不況を少しでも食いとめようと、政策金利を引き下げている。そのため短期債(期間2年以下)だけでなく、長期債(期間10年以上)の利回りも昨年末までは金利低下(債券価格は上昇)傾向であった。世界的に株価が低迷しており、安全資産である国債に資金が流れていた。(米国債10年物はリーマンショック直前(9/12)の利回りは3.74%→(12/30)2.10%まで低下)しかしながら、特に米国、英国では景気刺激策に伴う国債増発懸念から年明けから金利が上昇傾向である。一時的な変動にすぎないかもしれないが、国債増発されることは各国とも回避できないので、トレンドが変わったと見るべきであろう。
 2008年の信用収縮により、金融マーケットは大混乱の1年で、現在はその流れが落ち着きつつあるようだ。現に米シティやバンカメ(バンク・オブ・アメリカ)の実質国有化で両社の株価は大きく下落したが、NYダウは大きく落ち込んでいない。今後留意しておかなければならないのは、日米欧ともに利下げを行い、日米は実質ゼロ金利、ユーロ市場の下限と言われる2%まで低下しており、収縮したとはいえマネーは低金利下の安全資産に滞留していることだ。オバマ政権発足後、各国が協調して金融不安対策をさらに講じてくれば、予想外の不景気の株高があり得るかもしれない。